いよいよ確定申告の時期ですね。
平成29年中に土地や建物の売却をされた方は、確定申告をしなければならない場合があります。
平成29年分の確定申告の申告期限は平成30年3月15日(木)です。
でも、毎年の医療費控除や住宅ローン控除などと違って、不動産の売却なんてそう何度もするものじゃないし、金額も何百万、何千万円という単位になって、もしも間違った申告なんてしたら、あとから大変なことになりそう…!?
「でも自分の申告だし、ネットや国税庁のHPで調べることもできるから、とりあえず自分でやってみる!」
それも一つの方法です。
自分で納得して申告したいですよね。
でも、「税金のことなんて分からない」「間違ったら怖い」という方は、税理士という専門家に相談するのも、ひとつの方法です。
「なんだか敷居が高そう」
「どうやって相談していいか、分からない」
そんな方のために、どのような資料をそろえて相談に行けばいいのか、解説してみましょう。
①譲渡所得の金額は「(土地等を)買った時の金額」と「売った時の金額」で決まります
不動産等を売却した場合の税金計算のもとになる金額を『譲渡所得』と言います。
『譲渡所得』は、売却時点での一般的な相場より「高かった」「低かった」と関係なく、「当初いくらで買ったものが、いくらで売れたのか」で計算します。
譲渡所得で税理士事務所等にご相談される場合は、「売った時の資料」だけでなく「買った時の資料」も一緒に用意しましょう。
「買った時の資料」は、税金を計算する場合の『引き算(取得価額・経費)』に利用する資料になります。
「何十年も前のことだから、なにも残ってないです…」
そんな時も、土地の権利書、固定資産税の通知書など、あるものはなんでも持って行ってみましょう。
なにがヒントになるか、分かりません。
「こんなもの見せたってしょうがない」と思うものでも、専門家の目で一度チェックしてもらうといいですよ。
「買った時の資料」の一例
・売買契約書(固定資産税の精算分も含む)
・仲介料等の領収書(金額のわかるもの)
・権利書
・登記簿謄本
・固定資産税通知書
「売った時の資料」の一例
・売買契約書(固定資産税の精算分も含む)
・仲介料等の領収書(金額のわかるもの)
・更地にして売却した場合の解体費用など
・相続した土地の場合は、相続関係の分かる戸籍謄本・遺産分割協議書など
・登記簿謄本
・固定資産税通知書
② 売却した時の事情によって、税額が変わる場合があります
不動産を売却するということは、人生に何度もない一大事です。
ましてやそれが居住用の不動産であれば、生活のしかたもがらりと変わっていることでしょう。
生活に大きな影響を及ぼすような売買の場合は、一律の税金計算の枠に当てはめてしまうと、納税者の方が非常な不利益をこうむることもあります。
このため、不動産の譲渡の場合には、ケースによっては、大幅な所得控除が認められているものもあります。
① 居住用不動産を売却した場合の3000万円特別控除
② 収用等による場合の5000万円特別控除
③ 長期保有の土地等を売却した場合の軽減税率
などなど
どの特例が適用できるのか、どの特例が最も有利なのか、また将来的に有効な節税になるのか、専門家にきちんと判断してもらうためにも、売却時(ケースによっては購入時から)の経緯も、もらさず説明するようにしましょう。
③ 売却をされた方の所得状況によっても、税額が変わります
不動産等を売却したした場合の税額計算は、確定申告書の「三表」という別紙で、別個に計算されますが、最終的には給与や年金収入等にかかる税額と合算されて、「所得税の納税額」となります。
このため、不動産等の売却金額のほかに、通常の給与や年金等の収入の資料、所得控除を受けるための医療費や社会保険料・生命保険料の資料も見せていただく必要があります。
「ふるさと納税」を行い、ワンストップ納税制度を申し込まれた方でも、確定申告書を提出する場合は、ふるさと納税の証明書を添付する必要があります。
株式等の売買があれば、それも合算します。
所得控除にもれがない、正確な納税額を計算するためには、その年の所得に関する資料は、すべてそろえておくようにしましょう。
・医療費の領収書
・国民年金控除証明書
・給与所得の源泉徴収票
・公的年金等の源泉徴収票
・国民健康保険料・介護保険料等の支払額のわかるもの
・生命保険料控除証明書
・地震保険料控除証明書
・満期になった生命保険がある場合は、保険会社からの通知ハガキなど
・株式売買の特定口座年間取引報告書
など
疑問なこと、心配なことがあったら、全部尋ねて、納得のいく確定申告をしましょう。